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Qobuz(コバズ)はなぜQobuzという名前なのか?

その由来は...Qobuz(コバズ)という2つの弦を持つ馬毛のバイオリン。それでは説明しよう。

音楽プラットフォームである“Qobuz(コバズ)“は、その名前の由来である弦楽器以上のものを手にしている。オリジナルのQobuzのように、私たちはコミュニケーションを図り、つながりを作り、あなたを別の次元へと連れていくことを目指す。

Qobuz(kobyzまたはkyl-kobyzとも表記され、大まかに“馬の毛”と訳される)は、中央アジアの神聖かつ象徴的な伝統楽器である。シャーマニックな儀式に関連し、超自然的で不思議な力を持ち、悪霊や病気を追い払うといわれるQobuzは、弓で弾く2弦の馬毛バイオリンである。カザフ族は、この楽器が他の全ての楽器に先駆けてカザフ族が最初に作った楽器だと信じている。

カザフ族の物語や民話では、私たちの世界と並んでもうひとつの世界が存在すると言われている。音楽は、祖先の魂と触れ合うことで、生きている者の魂に触れる特別な能力を持つ芸術の一形態である。音楽の振動は、“下の世界“から“上の世界”に呼びかけるものだと言われている。何世紀にもわたって口頭で伝えられてきた音楽の伝統は、世代間の生きたつながりを形成している。

カザフ人にとって、Qobuzは伝統音楽の画期的な変化だった。メロディーの深い意味は時代とともに失われてしまったが、口承による伝統は、少なくとも魂に響く音楽の響きを残している。

神話によれば、この“草原と空の間“の世界で、“死”を倒そうとしたカザフのオルフェウス、コルキート・アタ(Korkyt-Ata)によって最初のQobuzが発明された。彼が特別に作った“kyl-kobyz”という楽器の弦を弓で弾いている限り、死は彼に触れることができなかった。

コルキート・アタは最初のシャーマンとされているが、それは彼が集落の他の人々には扉が閉ざされていた神聖な世界に入ることができたからである。シャーマンは、天界の神秘とその境界を理解している。彼が用いる手法はトランスである。トランス状態に入ることで、精霊や神々の世界へ誘う。この呼びかけは、歌で、太鼓で、そして何よりも...Qobuzで行われる!

よくよく考えてみると、オルフェウスの神話とシャーマニズムの世界との類似点がいかに多いかがわかる。音楽への愛、自然の力への親近感、そしてすべての中で最も強力な“死”...。

シャーマニックな儀式の間、Qobuzはかなたの世界への旅のペースを決める。その楽器の共鳴箱の中に置かれた鏡に象徴されるように、祖先の家への門を開くことができる。彼は演奏しながら鏡をのぞき込み、古代人の霊と交信する。

一般的に、Qobuzはクルミかカバノキの一枚板で作られ、長さは70~80cm。ラクダの皮で部分的に覆われたオープン・サウンド・ボックスが響板として機能する。50本の馬の毛で編まれた2本の弦は、幅広い音色を奏でる。Qobuzは、声のような音色と広い音域を持ち、非常に豊かな倍音を含んだ音を出す。このほとんど別世界のような音は不気味な美しさを放ち、生者の魂を貫き、死者の魂を呼び起こすと言われている。

今日ではシャーマンに出くわすことはめったにないが、伝統は生き続けており、Qobuzは今でも多くの音楽家によって演奏されている。

Translated by Barry Moore. (English)