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ハイレゾリューション・オーディオとは?

ハイレゾリューション・オーディオで再生される音楽は、オリジナル・レコーディングの体験を可能な限り忠実に再現する。ハイレゾリューション・オーディオは、レコード、カセット、CDの進歩における次のステップとも言え、高速インターネット音楽ストリーミング配信なども可能になった。では、ハイレゾリューション・オーディオはどのように機能させて、活用することができるのか?

※本記事はQobuz海外版の翻訳です。日本の状況とは異なる場合があります。


録音した時の音

ハイレゾ(ハイレゾリューション)音楽の目的は、アーティストがスタジオで録音したままの音楽を聴けるようにすることである。これは、物理的なフォーマットを使用していた時代には難しいことだった。微細なディテールを記録し、ダイナミックレンジをリアルに描写するために十分なスペースが足りなかったのだ。

旧来のメディア・フォーマットと同様に、コンパクト・ディスク(CD)も人間の耳の平均的な能力に適応させるため、ある程度の妥協を必要とした。マスター・テープ、つまりオリジナルのスタジオ録音に存在するにもかかわらず、情報が省略されていた。ハイレゾは、レコード会社がこれらのマスター・テープを使用して、マイクが捉えたすべての情報へアクセスする新しいファイルフォーマットとして作成された。

ハイレゾの利点を図式化した上のような画像は、すでにどこかでご覧になったことがあるだろう。技術的な詳細には立ち入らないが(このテーマについてはすでに膨大な文献があるし)、ハイレゾは解像度、ダイナミクス、帯域幅を向上させる。周波数帯域を広げて、より多くの情報を入れるスペースを確保するのだ。これらの小さな技術的な機微は、分離、サウンドステージ、ダイナミクスに改善をもたらし、再生時により多くのディテールを拾うことを可能にする。

ハイレゾが利用できるのであれば、それを最大限に活用しないのはもったいない。オリジナルの音楽を最も尊重するためのフォーマットなのだから。だからこそ、Qobuzは2007年のサービス開始以来、ハイレゾ音源のカタログを提供することで、競合他社との差別化を図ってきたのである。


MP3からハイレゾ音源まで

ハイレゾは比較的新しい技術革新である。長い間、私たちは、その聴きやすさですでに多くの利点があったCDの音質になじんできた。ハイレゾは長い道のりをたどってきた。ストリーミングであれファイル形式であれ、デジタル化された音楽の出発点はMP3から始まった。


アナログ音源

1980年代半ばにデジタルが登場する以前、音楽はアナログ・メディア、つまりレコードやカセットテープで聴かれていた。これらのフォーマットは、録音機材が拾える音質を全て収録できるわけではなかった。低域と高域の帯域幅が狭かったり、バックグラウンドノイズが大きいこともあった。


CDクオリティ

CDは、周波数知覚の面と、ダイナミックレンジ(最も小さな音と最も大きな音の差)の点で人間の耳の能力を満たすように設計された。こうして、アーティストやサウンド・エンジニアが意図したとおりに音楽を楽しむことが可能になった。なお、CDのデジタル信号のビットレートは16ビット以下、サンプルレートは44.1kHzだった。


デジタル音源

90年代の終わりに、コンピュータで読み取り可能な音楽フォーマットが登場した。容量とインターネット経由の転送能力の制約を考慮し、楽曲は非可逆データに圧縮され、著しく劣化した。それは、数十年前のレコード盤にも劣る品質のようだった。


ハイレゾ音源

技術開発の助けもあり、デジタル・ファイルはCDを超える品質を得ることができた。ロスレス圧縮フォーマット(FLACなど)も、ハイレゾへの扉を開いた。”ハイレゾ”と呼べるレベルについて、誰もが同意しているわけではない。48kHz/24bitで十分だという人もいれば、96kHz/24bit以下ではハイレゾではないという人もいる…。


超高解像度なハイレゾ音源

ハイレゾ音源は、192kHz/24bitよりさらに上を目指すことも可能だ。しかし、それには、高品質の機器と鋭い耳が求められる。どのような改善も、帯域幅とディテールの増加に関係する。効率的なDACには、最大768kHz、32ビットのファイルを再生できるものもある。ハイレゾファイルの一種であるDSDについては、DSD1024まで可能だが、実際に読み取り可能な機器は少ない。このレベルの解像度の音源だと、1つのファイルが1GBにもなることがあるのは言うまでもない。


あなたのシステムでハイレゾを楽しむ方法

オーディオシステムの中でハイレゾに対応する機器は、一般的に”DAC”と呼ばれているデジタル・アナログ・コンバーターである。独立型でも、ネットワーク・プレーヤーやアンプに内蔵されているものでも、アンプやスピーカーを経由してハイレゾ音源を再生できる。

ここ数年、ほとんどのDACが少なくとも192kHz/24bitのハイレゾ音源に対応している。しかし、すべてのDACが対応しているわけではない。これは購入前に検討すべきことだ。例えば、Qobuzにアクセスできる機器の中には、48kHz/24bitまたは96kHz/24bitの再生に制限されているものもある。

デバイスやアプリの設定でハイレゾ再生が有効になっていることを確認するのもお忘れなく。Qobuzのサブスクリプションでハイレゾにアクセスできる場合でも、最高音質がCDクオリティになっている場合がある。

ハイレゾの重要なポイントは、帯域幅の広さと微細なディテールにあることを忘れないでほしい。最高のモバイル・オーディオシステムを装備していても、周囲の環境がノイズに満ちていれば(交通機関、街のバックグラウンド・ノイズなど)、ヘッドフォン再生はノイズに満ちてしまい、ハイレゾの利点はすべて失われてしまう。

Qobuzのサブスクリプションを使ってハイレゾを利用するのは非常に簡単だ。対応するDACやネットワークプレーヤーは多くあり、幅広い予算に対応している。あなたのオーディオシステムをハイレゾにアップグレードするのは、かつてないほど簡単なことになった。外出先でのリスニングについては、たくさんの製品が存在するが、環境に注意する必要がある。先に述べたように、ヘッドフォンでハイレゾを本当に楽しむことができるのは、とても静かな場所でのリスニングだけといえる。