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Qobuzissime : ガナヴィヤ

ガナヴィヤ(Ganavya)は、その“信仰のための集まり”のために多くのアーティストたちを召集した。テキサス州ヒューストンのムーアズ・オペラ・ハウスに、ジャズのレジェンドや詩人、オペラ歌手、舞台演出家、また、新進気鋭のアーティストを含む30人以上が集まり、スピリチュアル・ジャズ、南アジアの宗教音楽、詩、祈り、アンビエンス、そしてアリス・コルトレーンの後期作品への敬意を込めた作品を制作したのだ。

※Qobuzissime(コバズィシム)とは、Qobuzの国際音楽チームがアルバムに与える賞である。この賞にノミネートされる作品は、デビュー・アルバムまたは2ndアルバムであること、音楽の世界に何か新しくエキサイティングな貢献をすること、そして24bitハイレゾであることが条件となる。

『Daughter of a Temple』は、バークリー音楽大学のライアン・レンテリアによって最初に録音と編集が行われ、続いてベルリンのスタジオでLEITERレーベルの共同設立者ニルス・フラームが編集を手掛けた。さらにエスペランサ・スポルディングライナ・スワミナサンフェリックス・グリムが追加制作に携わり、アルバムはオーラヴル・アルナルズペンギン・カフェモービーハニー・ディジョンマウス・オン・マーズなどとの仕事で知られるジノ・ミコレイによってマスタリングが施された。

これだけのアーティストが集まれば、演奏も豊かになるのは当然のこと。このアルバムはスポークン・ワードからアンビエント、ビバップを取り入れたインタープレイまでを行き来する。ガナヴィヤはハープ、ホーン、シタール、鈴、ビーズ、その他様々なパーカッションなどを駆使し、さらに耳元で消えゆく声のうねりを散りばめている。録音は賑やかだが、作品の主旨を妨げることはない。その結果、クインシー・ジョーンズニルス・フラームシャバカ・ハッチングスといった推薦者たちの名にふさわしい、見事な作品が生まれた。ハッチングスはもちろん、ウェイン・ショーターキャロライナ・ショーターヴィジェイ・アイヤーイマニュエル・ウィルキンスチャールズ・オーバートンシャーロット・ブライトウェイト、前述のエスペランサ・スポルディングなど、数多くのアーティストもこのアルバムに参加している。

Ganavya 2024 © Carlos Cruz

『Daughter of a Temple』は、ガナヴィヤが聖域に達したことを示す一大イベントであり、同時にリスナーをもその場へ招待する意図が込められている。このアルバムは、人間が多様性を内包し、互いを敬い平和に共生することを強調している。多数のアーティスト、インスピレーション、そしてこのような作品を可能にした先駆者たちへの敬意が込められているが、ガナヴィヤの主たる意図も明確である。我々は共に信仰と敬意を持って集まっているのだ。そして、リスナーである我々もまた、この新たなQobuzissime受賞作を特別なものとする、平和の使徒の一員なのだ。